実りの秋は栄養豊富な食材が豊富に出回る季節。旬の食材を上手に取り入れて、冬に備えた体づくりをしましょう。
「旬」の食材には、季節外れのものと比べて2〜5倍の栄養素が含まれていることがあります。例えばほうれん草のビタミンCは、旬の冬と夏では約3倍の差があるというデータがあります。
秋は夏の暑さで消耗した体を回復させ、寒い冬に備えて免疫力を高める重要な季節です。「食欲の秋」と言われるように自然と食欲が増すこの時期に、栄養豊富な旬の食材を積極的に取り入れましょう。
秋の味覚の代表格であるさんまは、EPA・DHAが非常に豊富な青魚です。100gあたりのEPA・DHA合計は約2,200mgにのぼり、1尾食べるだけで1日の推奨量を優に超えます。
EPA・DHAには血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や心臓病の予防に役立ちます。また、DHAは脳の機能維持にも重要で、認知症予防への効果が期待されています。
さんまにはビタミンB12も豊富に含まれ、貧血予防にも効果的です。骨ごと食べられる缶詰もカルシウム補給におすすめです。
さつまいもは食物繊維が豊富で、腸内環境の改善に大きく貢献します。中サイズ1本(200g)で約4.6gの食物繊維が摂れ、高齢者の大きな悩みである便秘の改善に役立ちます。
また、さつまいもの紫色や黄色の色素にはアントシアニンやβ-カロテンなどの抗酸化物質が含まれ、細胞の老化を防ぐ働きがあります。さらにビタミンCも100gあたり29mgと豊富で、加熱してもでんぷんに守られて壊れにくいのが特長です。
注意点として、さつまいもは糖質が多いため、糖尿病の方は食べ過ぎに注意し、主食の量を調整しましょう。
しいたけ、まいたけ、しめじなどのきのこ類は、秋が最も美味しい季節です。きのこの最大の特長はビタミンDの含有量です。特に干ししいたけは100gあたり12.7μgものビタミンDを含み、骨の健康維持に欠かせない栄養素を効率よく摂取できます。
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するため、骨粗しょう症の予防に不可欠です。高齢者は皮膚でのビタミンD合成能力が低下しているため、食事からの摂取がより重要になります。
きのこ類はさらに低カロリーで食物繊維も豊富。免疫力を高めるβ-グルカンも含まれており、風邪やインフルエンザが流行する冬に備えた体づくりに最適です。
柿は「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど栄養価の高い果物です。ビタミンCは100gあたり70mgで、みかんの約2倍。1個(約200g)食べるだけで1日のビタミンC推奨量(100mg)を超えます。
ビタミンCは免疫力の強化、コラーゲンの生成促進、鉄分の吸収向上に関わる重要な栄養素です。また、柿に含まれるタンニンには抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があるとされています。
ただし、柿のタンニンは鉄の吸収を妨げるため、貧血気味の方は食事と少し時間をずらして食べるのがおすすめです。
「1日1個のりんごは医者を遠ざける」というイギリスのことわざは、科学的にも裏付けられています。りんごに含まれるペクチン(水溶性食物繊維)は腸内の善玉菌を増やし、コレステロールの排出を促進します。
また、りんごのポリフェノール(りんごポリフェノール)には強い抗酸化作用があり、血管の老化予防に効果的です。皮にポリフェノールが多く含まれるため、よく洗って皮ごと食べるのが理想的です。
りんごは酸味がさわやかで食欲が落ちた時にも食べやすく、すりおろせば噛む力が弱い方にも向いています。
秋は気温の変化が大きく、体調を崩しやすい季節でもあります。食事面では以下の点に気をつけましょう。
食欲が増す秋は、つい食べ過ぎてしまうことがあります。特に高齢者で糖尿病や肥満がある方は注意が必要です。
旬の食材を楽しみながらも、適量を心がけることが健康長寿の秘訣です。
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