磨くのは歯だけではない。舌と頬の内側が残っている
誤嚥性肺炎は、食べ物が気管に入ることだけで起きるのではありません。唾液と一緒に口の中の細菌が肺へ入ることが大きな原因です。寝ている間の無自覚な誤嚥(不顕性誤嚥)でも起こります。
だから、口の中の細菌を減らすこと自体が肺炎の予防になります。実際、介護施設で口腔ケアを徹底した群では肺炎の発症が減ったという研究が国内で報告されています。食べていない方(経管栄養の方)にも口腔ケアは必要です。
| 道具 | 使いどころ |
|---|---|
| 歯ブラシ(毛はやわらかめ、ヘッドは小さめ) | 歯と歯ぐきの境目 |
| タフトブラシ(毛束が1つ) | 最後の奥歯、歯並びの悪いところ |
| 舌ブラシ、またはやわらかいスポンジ | 舌の表面 |
| スポンジブラシ(口腔ケア用) | 頬の内側、上あご、汚れの回収 |
| 保湿ジェル | 口が乾いている方。ケアの前に塗って汚れをふやかす |
| ガーグルベースン、またはコップとタオル | 吐き出す受け皿 |
歯みがき剤は使わないか、ごく少量にします。泡が立つと磨けたつもりになり、うがいの回数も増えて誤嚥の機会が増えます。発泡剤の入っていないジェルタイプが向いています。
5番目の「奥から手前へ」は必ず守ってください。手前から奥へ動かすと、汚れを喉に送り込むことになります。
飲み込みが弱く、うがいの水で むせてしまう方には、次の方法を使います。
いずれも「水を入れない」のが基本です。口の中の水は、そのまま誤嚥の原因になります。
回数は毎食後と就寝前が理想ですが、全部は難しいことが多いはずです。優先順位をつけるなら就寝前です。寝ている間は唾液が減り、細菌が増えます。
自分たちだけで難しい場合は、次の支援があります。
入れ歯の手入れは義歯の手入れで扱っています。かむ力の維持は噛む力を維持する食事と口腔ケアをご覧ください。
加齢による咀嚼機能の低下とオーラルフレイル、噛む力を維持する食材・トレーニング、義歯のケアまで。口腔の健康を守る方法を管理栄養士が解説します。
入れ歯の毎日の洗い方、外す時間、合わなくなったときの対処を解説します。合わない入れ歯を使い続けることの害についても整理します。
椅子・車いす・ベッドそれぞれの正しい食事姿勢を解説します。足の裏、あごの角度、テーブルの高さという3点を整えるだけでむせが減る理由も説明します。
介護保険や事業所探し、福祉用具の選び方は、同じ株式会社京谷商会が運営する情報サイトにまとめています。
介護の窓口(kaigoinfo.com)の記事。気づく目印と、相談先を整理しています。
介護の窓口の記事。滑舌・むせ・かめないものの増加をどう捉えるかを説明しています。
介護の窓口の記事。訪問歯科の頼み方と、できることをまとめています。