高齢者の食事と栄養に関する用語解説
加齢に伴い心身の活力が低下した状態。「健康」と「要介護」の中間的な段階で、適切な介入により改善が可能。
フレイル(Frailty)は、英語の「虚弱」を意味する医学用語を日本老年医学会が2014年に提唱した概念です。加齢に伴って心身の予備能力が低下し、ストレスに対する脆弱性が増した状態を指します。重要なのは、フレイルは「健康な状態」と「要介護状態」の中間に位置し、早期に発見して適切な対策を講じれば健康な状態に戻ることが可能な点です。
日本の地域在住高齢者を対象とした研究では、65歳以上の約11%がフレイル、約40%がプレフレイル(フレイルの前段階)に該当するとされています。年齢が上がるほどその割合は高くなり、85歳以上では約3割がフレイルの状態にあるとの報告があります。
フレイルは身体的な側面だけでなく、「身体的フレイル」「精神・心理的フレイル」「社会的フレイル」の3つの要素から構成されます。身体的フレイルは筋力低下や歩行速度の低下、精神・心理的フレイルは認知機能の低下やうつ傾向、社会的フレイルは閉じこもりや孤食などを含みます。これら3つの要素は互いに影響し合い、一つが進行すると他の側面も悪化しやすくなります。
栄養はフレイル予防の柱の一つです。低栄養はフレイルの最大のリスク因子であり、特にたんぱく質の慢性的な不足は筋力低下と活動量の低下を引き起こし、フレイルサイクル(低栄養→筋力低下→活動量低下→食欲低下→さらなる低栄養)と呼ばれる悪循環に陥らせます。厚生労働省が提唱する「フレイル予防のための食事ガイド」では、高齢者の食事で特に重要な栄養素としてたんぱく質、ビタミンD、カルシウム、ビタミンB群を挙げています。
また、フレイル予防には「何を食べるか」だけでなく「どのように食べるか」も重要です。孤食(一人で食べること)は食事内容の偏りにつながりやすく、社会的フレイルとも関連します。可能な限り誰かと一緒に食事を摂ること、あるいは配食サービスを利用して毎日バランスの取れた食事を確保することが予防の第一歩です。
配食のふれ愛のお弁当は、フレイル予防に配慮した栄養バランスで設計されています。毎食約20gのたんぱく質を確保し、肉・魚・卵・大豆製品を日替わりで使用。野菜も1食あたり120g以上を目標に取り入れ、ビタミン・ミネラルも十分に摂取できます。食べる力が衰えてきた方には一口大やきざみ食にも対応し、「食べたい」という意欲を大切にした献立づくりを行っています。また、毎日の配達が見守りにもなり、お体の変化にいち早く気づく体制を整えています。
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