体に必要なエネルギーや栄養素が不足している状態。BMI 21.5未満、血清アルブミン3.5g/dL未満などが指標。

詳しい解説

低栄養(PEM:Protein Energy Malnutrition)とは、健康な体を維持するために必要なエネルギーやたんぱく質をはじめとする栄養素の摂取が慢性的に不足している状態を指します。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、65歳以上の高齢者のうち低栄養傾向(BMI 20以下)にある方の割合は男性で約12.4%、女性で約20.7%に上ります。特に85歳以上では約3人に1人が該当するとされています。

低栄養の診断には複数の指標が用いられます。BMI(体格指数)21.5未満、血清アルブミン値3.5g/dL未満、6か月間で2〜3kgの体重減少、食事摂取量の減少(通常の3/4以下)などが代表的な基準です。これらのうち複数が該当する場合、低栄養のリスクが高いと判断されます。

低栄養は大きく「マラスムス型」と「クワシオルコル型」に分類されます。マラスムス型はエネルギー全体が不足するタイプで、体重減少や筋肉量の低下が顕著です。クワシオルコル型はたんぱく質が特に不足するタイプで、むくみ(浮腫)や免疫力低下が特徴的です。高齢者ではこの両方が混合して現れることも少なくありません。

高齢者の食事における重要性

高齢者の低栄養は、単なる「痩せ」の問題ではありません。免疫力の低下により感染症にかかりやすくなり、傷の治りも遅くなります。筋肉量の減少(サルコペニア)が進行すれば、転倒・骨折のリスクが高まり、寝たきりにつながる可能性があります。さらに低栄養は認知機能の低下とも関連があるとする研究もあり、全身の健康に深刻な影響を及ぼします。

高齢者が低栄養に陥りやすい原因には、加齢による味覚・嗅覚の変化や食欲低下、噛む力・飲み込む力の衰え、孤食によるモチベーションの低下、慢性疾患に伴う食事制限、経済的な問題など多岐にわたります。特に一人暮らしの高齢者は「面倒だから」とパンやおにぎりだけで済ませてしまい、たんぱく質やビタミン・ミネラルが慢性的に不足するケースが多く見られます。

日常生活での実践ポイント

  • 毎食、主食・主菜・副菜をそろえる:ごはん(エネルギー源)、肉・魚・卵・大豆製品(たんぱく質源)、野菜(ビタミン・ミネラル源)の3点セットを基本にしましょう。
  • 体重を定期的に測定する:月に1〜2回体重を測り、1か月で1kg以上減少している場合は早めにかかりつけ医や管理栄養士に相談しましょう。
  • 少量でも栄養密度の高い食品を選ぶ:食が細い方は、卵、チーズ、ヨーグルト、納豆など少量でたんぱく質やカルシウムが豊富な食品を意識的に取り入れましょう。
  • 間食を活用する:3食で十分な量を食べられない場合は、10時や15時に牛乳、果物、おにぎりなどの補食を取り入れてエネルギーを補いましょう。

当店のお弁当での対応

配食のふれ愛のお弁当は、管理栄養士が監修し、1食あたり約400〜600kcalのエネルギーと20g前後のたんぱく質を確保しています。肉・魚・卵・大豆を日替わりで組み合わせた献立で、飽きずに必要な栄養素をバランスよく摂取できます。食が細い方には、おかず大盛りやごはんの量の調整にも対応しており、一人ひとりの食べる力に合わせた食事をお届けします。毎日の配達時に安否確認も行っておりますので、お食事の様子に変化があれば早期に気づくことができます。

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関連用語

フレイル

加齢に伴い心身の活力が低下した状態。適切な介入で改善が可能な「健康と要介護の中間段階」。

たんぱく質

筋肉・臓器・血液など体の組織をつくる三大栄養素の一つ。高齢者は1日60g(男性)/50g(女性)が推奨。

BMI

体重と身長から算出される体格指数。高齢者では21.5未満が低栄養の目安とされる。

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