高齢者の食事と栄養に関する用語解説
骨密度の低下により骨がもろくなり、骨折しやすくなる疾患。特に閉経後の女性に多い。
骨粗しょう症(オステオポローシス)は、骨の量(骨密度)が減少し、骨の構造が劣化することで骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる疾患です。WHO(世界保健機関)の定義では、若年成人の平均骨密度から2.5標準偏差以上低い状態を骨粗しょう症としています。日本の骨粗しょう症患者数は約1,280万人(男性300万人、女性980万人)と推計されています。
骨は常に古い骨を壊す「骨吸収」と新しい骨を作る「骨形成」を繰り返しています(骨リモデリング)。若い頃は骨形成が骨吸収を上回り骨量が増加しますが、加齢とともにこのバランスが崩れ、骨量が減少していきます。特に女性は閉経後にエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少することで骨吸収が亢進し、50歳以降に骨密度が急速に低下します。このため、80歳以上の女性の約半数が骨粗しょう症に該当するとされています。
骨粗しょう症で最も注意すべきは骨折です。高齢者に多い骨折部位は、背骨(脊椎圧迫骨折)、太ももの付け根(大腿骨近位部骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、上腕骨の4か所です。特に大腿骨近位部骨折は寝たきりの原因となり、骨折後1年以内の死亡率が約10〜20%に達するという深刻なデータもあります。背骨の圧迫骨折は痛みが軽い場合もあり、知らないうちに複数箇所で起きて身長の低下や背中の曲がりにつながることがあります。
骨の健康を維持するために最も重要な栄養素は、カルシウムとビタミンDです。日本人のカルシウム摂取量は男女ともに推奨量を下回っており、特に高齢女性では不足が深刻です。骨粗しょう症の予防・治療ガイドラインでは、1日700〜800mgのカルシウム摂取が推奨されています。カルシウムは乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜に多く含まれますが、食品によって吸収率が異なり(牛乳約40%、小魚約30%、野菜約20%)、効率よく摂取することがポイントです。
ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促進し、骨への沈着を助ける栄養素です。ビタミンDが不足するとカルシウムをいくら摂っても骨に届きにくくなります。ビタミンDは食事(鮭、さんま、きくらげ、干ししいたけなど)と日光浴(紫外線による皮膚での合成)の両方から得られますが、高齢者は皮膚でのビタミンD合成能力が低下しているうえ、外出頻度の減少もあり、不足しやすい栄養素です。また、たんぱく質は骨の約30%を構成するコラーゲンの材料であり、カルシウムだけでなくたんぱく質の十分な摂取も骨の強度維持に欠かせません。
配食のふれ愛のお弁当は、骨の健康に配慮した献立設計を行っています。小魚や豆腐、緑黄色野菜を積極的に使用してカルシウムを確保し、鮭やきのこ類でビタミンDも補給できるメニュー構成です。また、骨の材料となるたんぱく質も毎食約20g確保しています。骨粗しょう症で噛む力が衰えた方には、食材をやわらかく調理した一口大やきざみ食もご用意しており、カルシウムの摂取量を落とすことなく食べやすい食事をお届けします。
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