腎臓の機能が低下した状態の総称。慢性腎臓病(CKD)は日本の成人の約8人に1人が該当するとされる。

詳しい解説

腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分・電解質を尿として排泄する臓器です。それ以外にも血圧の調節、赤血球産生の促進(エリスロポエチン分泌)、骨の健康維持(ビタミンD活性化)など多彩な役割を担っています。腎臓病とは、何らかの原因でこの腎臓の機能が低下した状態の総称です。

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、腎臓の障害(たんぱく尿など)や腎機能の低下(GFR 60mL/min/1.73m²未満)が3か月以上持続する状態と定義されます。日本におけるCKD患者数は約1,330万人、成人の約8人に1人に相当し、「新たな国民病」とも呼ばれています。年齢が上がるほど有病率は高く、70歳以上では約30%がCKDに該当するとの報告があります。

CKDはステージ1〜5に分類され、ステージが進むほど腎機能が低下しています。ステージ5まで進行すると、腎臓がほぼ機能しなくなり、人工透析(血液透析または腹膜透析)や腎移植が必要になります。現在、日本の透析患者数は約35万人で、新規透析導入の原因第1位は糖尿病腎症、第2位は腎硬化症(高血圧が原因)です。CKDは初期段階ではほとんど自覚症状がなく、むくみ、倦怠感、夜間頻尿、貧血などの症状が現れたときにはかなり進行していることが多いため、定期的な健康診断での早期発見が重要です。

高齢者の食事における重要性

腎臓病の進行を遅らせるために、食事管理は薬物療法と並ぶ重要な治療法です。腎臓病の食事療法で特に注目されるのは、たんぱく質ナトリウム(食塩)カリウムの3つの栄養素です。たんぱく質は体内で代謝されると老廃物(尿素窒素など)が生じ、これを排泄するのが腎臓の仕事です。腎機能が低下した状態でたんぱく質を過剰に摂取すると、腎臓への負担が増大します。CKDのステージに応じて、体重1kgあたり0.6〜0.8gにたんぱく質を制限する場合があります。

しかし、高齢者の腎臓病食事療法では「制限のしすぎ」による弊害にも注意が必要です。厳格すぎるたんぱく質制限はサルコペニアフレイルを助長するリスクがあり、腎臓を守りながらも全身の健康を維持するバランスが求められます。日本腎臓学会のガイドラインでは、高齢CKD患者のたんぱく質制限は個別に慎重に判断すべきとされています。食塩制限(1日3〜6g)はほぼすべてのCKDステージで推奨され、ステージ3b以降ではカリウム制限(1日1,500〜2,000mg)も必要になる場合があります。

日常生活での実践ポイント

  • 医師の指示する食事制限を守る:腎臓病の食事療法はCKDのステージや合併症によって大きく異なります。自己判断で制限を始めるのではなく、必ず主治医や管理栄養士の指導のもとで行いましょう。
  • 減塩を徹底する:食塩は腎臓に大きな負担をかけます。1日6g未満(可能なら3g)を目標に、だしや酢、香辛料を活用した調理を心がけましょう。加工食品や外食は食塩量が多いため注意が必要です。
  • たんぱく質は「適量」を心がける:医師から制限を指示された場合は、主菜(肉・魚・卵・大豆)の量を計量し、指示量を守りましょう。たんぱく質を減らした分のエネルギーは、油脂類や低たんぱく食品(でんぷん製品等)で補うことが大切です。
  • カリウム制限がある場合の調理工夫:野菜は茹でこぼすとカリウムが約30%溶出します。果物は缶詰(シロップ液を捨てる)にするとカリウムを減らせます。生野菜のサラダや果物ジュースは控えめにしましょう。

当店のお弁当での対応

配食のふれ愛では、腎臓病の方に配慮した「たんぱく質調整食」をご用意しています。1食あたりのたんぱく質を約15g前後に調整し、食塩も約2g以下に抑えた献立です。たんぱく質を制限しながらも必要なエネルギーを確保できるよう、調理法や食材の組み合わせを工夫しています。カリウム制限が必要な方には、野菜の下処理にも配慮した調理を行っています。お一人おひとりの腎機能の状態に合わせたメニュー選びのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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関連用語

たんぱく質調整食

たんぱく質の摂取量を制限した食事。腎臓への負担を軽減し、CKDの進行を遅らせる。

ナトリウム(食塩)

食塩の主成分。腎臓病では食塩制限が治療の基本となる。

カリウム

体内の水分・電解質バランスを調節するミネラル。腎機能低下時は制限が必要な場合がある。

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